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野菜 スイカ 病気
No. 107 炭そ病
<過去問>
  • 全国大会
  • 年次大会
  • 校内
<point>
<解説>
    病原菌:糸状菌
     学名 Colletotrichum lagenarium (Passerini) Ellis et Halsted

○被害と診断

  • 子葉では大きさ不同の黄白色の丸い病斑をつくる。
  • 台木のユウガオの子葉も侵されやすく、このような台木に接ぎ木するとスイカの茎が侵されて枯死することがある。
  • 葉では円形または長楕円形、暗褐色の病斑を生じ、のちに中心部がややくぼんで灰褐色に変わり、同心輪紋を生ずる。
  • 病斑部は、乾いて裂ける。
  • 茎には暗褐色のくぼんだ円形または長楕円形の小さな病斑を生じ、中心部は灰褐色となって乾枯し、湿潤な天候のときには病斑上に鮭肉色の粘質物を生ずる。
  • 果実は、はじめ油が浸みたような小さな汚点を生じ、のちに大きくなって病斑は暗褐色となり輪紋を生じてくぼむ。
  • 多湿のときには病斑上に淡紅色の粘質物(分生胞子のかたまり)を生じ、乾燥すると病斑に裂け目を生ずる。

○病原菌の生態

  • 病斑上の分生胞子が雨などによって飛び散り、二次伝染する。
  • 湿気があると24時間以内に発芽して、48時間以内に付着器をつくり、72時間以内には表皮を貫通して侵入する。
  • さらに菌糸は組織内部にはびこり病斑となり、その病畦上に分生胞子をつくって他のスイカにまん延する。
  • 病原菌は、主として菌糸の形で、まれには分生胞子として、土中に残った被害茎、葉などについたりして越年し、翌年の第一次伝染源となる。

○発生条件と対策

  • すべての作型で発生するが、露地では一般に5月ころから収穫期までみられる。
  • とくに降雨が多く、比較的低温な年に多発する。
  • 対策は、連作をさけ、日当たり、通風、排水のよい畑に栽培し、湿地、排水不良畑では排水をよくする。
  • カリ肥料を充分に施すなど肥培管理につとめる。
  • 敷わらをして、土から病原菌がはね上がるのを防ぐ。
  • 被害果実、被害茎葉は除去して焼却するか、深い穴を掘って埋める。
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