<解説>
病原菌:糸状菌
学名 Phytophthora nicotianae van Breda de Haan var. parasitica (Dastur) Waterhouse
Phytophthora melonis Kathura
○被害と診断
- 茎では地ぎわ部に暗緑色、水浸状、紡錘形のへこんだ病斑を生じ、やがて拡大して茎を取りまきひどいくびれを生じ、この部分から上は急激に萎ちょうして枯れる。
- 葉では暗緑色、水浸状の円形または不正形の病斑ができ、急速に拡大し、湿気が多いとベトベトになり、乾くとガサガサとなり、破れやすくなる。
- 乾いたとき病斑は白灰色となる。下葉から発病することが多い。
- 果実のばあい、ごく幼采では暗緑色となり腐敗する。
- やや肥大した幼果では、へこんだ丸い暗緑色、油浸状の病魔をつくり、わん曲することが多い。
○病原菌の生態
- 疫病菌は、被害茎葉および被害果実などとともに土壌中に入り、主として菌糸、厚膜胞子などの形で越年し、発病させる。
- また、支柱や温床のわくに付着していて発病のもととなる。
- また、病原菌は水によってはこばれ、大雨のあとに多発することがある。
○発生条件と対策
- 24℃くらいで多湿のとき発生が多く、5月上中旬から発生し始め、6月中旬〜7月上旬に最も多く、9月には下火になる。
- 対策は、土栽培のばあいは、床土を消毒し、温床のわくや支柱はよく洗う。
- 土壌酸度を矯正し、水田は高畦として排水をよくする。また、なるべく支柱栽培をし、薬剤散布を行なう。
- さらにカボチャ(チッカブト)を台木とした接ぎ木苗を使用するのもよい。
- なお、被害株を早めに抜きとり焼却する。
- 礫栽培のばあいは、病原菌が施設内に侵入するのを防止し、病原菌を含んだ水が、タンクや礫中に入らないようにしなければならない。
- 本病が発生した施設では、礫および施設を消毒し、生育中に薬剤を添加する。
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